2014/04/11

チェバの定理の3通りの証明

分野: 平面図形  レベル: 入試対策

チェバの定理

チェバの定理:
三角形 $ABC$ と内部の点 $P$ に対して,$AP$ と $BC$ の交点を $D$, $BP$ と $CA$ の交点を $E$, $CP$ と $AB$ の交点を $F$,とおくとき,
$\dfrac{AF}{FB}\dfrac{BD}{DC}\dfrac{CE}{EA}=1$

チェバの定理の逆:各辺上の点 $D, E, F$ に対して $\dfrac{AF}{FB}\dfrac{BD}{DC}\dfrac{CE}{EA}=1$ ならば $AD, BE, CF$ は一点で交わる。

三角形の周囲を一周しながら辺の比を取っていくと1になるという美しい定理です。センター試験などで線分の長さや線分比を求めるために使われるのはもちろん,数学オリンピックなどの難問では証明問題の道具として使われます。

このページではチェバの定理の3通りの証明を解説します。

証明1:面積比による方法(有名、エレガント)
証明2:メネラウスの定理を用いる方法(わりとエレガント)
証明3:ベクトルによる方法(機械的に証明できる、計算が大変)

1:面積比を用いたチェバの定理の証明

有名なチェバの定理の証明です。

方針:三角形の面積比にまつわる公式たちの公式1を用いて線分比を面積比に変換します。よく用いられる手法です。

チェバの定理の証明

証明

三角形 $APC$ の面積を $|APC|$ などと書きます。
$\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{|APC|}{|BPC|},\dfrac{BD}{DC}=\dfrac{|APB|}{|APC|},\\\dfrac{CE}{EA}=\dfrac{|BPC|}{|APB|}$
を辺々かけ合わせるとチェバの定理となる。

ちなみに,この証明方法の背景には,ベクトルの定番問題の公式(面積比)があります。三角形の中の点と三直線を見て連想できるとよいでしょう。

2:メネラウスの定理を用いたチェバの定理の証明

メネラウスの定理を既知とした場合のチェバの定理の証明です。

方針:メネラウスの定理を用いてチェバの定理の左辺を作り出そう頑張ると自然に以下の解答が思いつくでしょう。

証明

メネラウスの定理より,
$\dfrac{AF}{FB}\dfrac{BC}{CD}\dfrac{DP}{PA}=1$
$\dfrac{AE}{EC}\dfrac{BC}{BD}\dfrac{DP}{PA}=1$
上の式$÷$下の式を計算すればチェバの定理となる。

3:ベクトルを用いたチェバの定理の証明

計算がめんどくさいですが機械的にできます。

方針:直線 $BE$ と $CF$ の交点を $P$ とおき,$AP$ と $BC$ の交点 $D$ が題意の比の式を満たしていることを証明します。これは同時にチェバの定理の逆の証明にもなっています。

チェバの定理の証明3

$\overrightarrow{AF}=t\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AE}=s\overrightarrow{AC}$ とおく。
$\dfrac{BD}{DC}=\dfrac{s(1-t)}{t(1-s)}$ となることを示せばチェバの定理が示される。
まずは $BE$ と $CF$ の交点 $P$ のベクトルを求める。
$BE$ のベクトル方程式は,
$\overrightarrow{AP}=u\overrightarrow{AB}+(1-u)s\overrightarrow{AC}$
$CF$ のベクトル方程式は,
$\overrightarrow{AP}=v\overrightarrow{AC}+(1-v)t\overrightarrow{AB}$
よって,
$\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC}$ の係数を連立させて $u$ について解くと,
$u=\dfrac{t-st}{1-st}$ となるので,
$\overrightarrow{AP}=\dfrac{t-st}{1-st}\overrightarrow{AB}+\dfrac{s-st}{1-st}\overrightarrow{AC}$
よって,係数の比が $t-st:s-st=t(1-s):s(1-t)$ となるので題意は示された。

ベクトルは計算を省略したけどそれでも長い,初等幾何はひらめきが必要だけど美しい

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