2015/07/04

分数不等式のおすすめの解き方と例題

分野: 不等式  レベル: 入試対策

分数を含む不等式は通分して解くと場合分けしなくてすむのでおすすめ。

分数不等式

今回考えるのは分数式を含む不等式の問題です。

例題

$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$ を満たす実数 $x$ の範囲を求めよ。

分数不等式にはいくつもの解法があります!

方法1.通分する方法(おすすめ)
通分してから分子を因数分解する方法です(後述)。

方法2.分母を払う方法
分母を払うことで分数式を解除する方法です。非常に自然な方法ですが,両辺にかけるものの符号によって場合分けが必要となりめんどくさいです(後述)。

方法3.両辺のグラフを書く方法
$f(x)\geq g(x)$ という不等式を解くときに $y=f(x)$ と $y=g(x)$ のグラフを書いてどちらが上側にあるのかを議論するというのも定番の方法です。考え方としては重要ですが,分数不等式には方法1がおすすめです。

この記事では例題を通じて方法1と方法2を説明し,場合分けが不要な方法1の方が素晴らしいことを実感していただきます。

方法1(通分,おすすめ)

例題(再掲):$2-\dfrac{x-4}{x-2}\geq\dfrac{6}{x-1}$ を満たす実数 $x$ の範囲を求めよ。

解答

不等式を同値変形していく。
移項:$2-\dfrac{x-4}{x-2}-\dfrac{6}{x-1}\geq 0$

通分:$\dfrac{2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)-6(x-2)}{(x-1)(x-2)}\geq 0$
分子を展開:$\dfrac{2x^2-6x+4-x^2+5x-4-6x+12}{(x-1)(x-2)}\geq 0$
分子を整理:$\dfrac{x^2-7x+12}{(x-1)(x-2)}\geq 0$

分子を因数分解:$\dfrac{(x-3)(x-4)}{(x-1)(x-2)}\geq 0$

よって,求める範囲は $x <1, 2 <x \leq 3, 4 \leq x$


注:$(x-a)$ という因数が分子にあろうが分母にあろうが $a$ をまたぐと符号が変わる,というのがポイントです。境界については,$x=1,2$ では分数式はそもそも定義されないのでダメ,$x=3,4$ は等号成立でOKです。

方法2(分母を払う)

両辺に$(x-1)(x-2)$ をかけることで分母を払います。ただし,$(x-1)(x-2)$ の符号によって不等号の向きが変わるので場合分けが必要になります。

解答

・ $x <1$ または $2 <x\cdots(1)$ のとき
$(x-1)(x-2) > 0$ であるので,$(x-1)(x-2)$ を両辺にかけても不等号の向きは変わらない:
$2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)\geq 6(x-2)$
これは整理するとただの二次不等式になる(途中の式変形は方法1と同じなので省略):
$x^2-7x+12\geq 0$
$(x-3)(x-4)\geq 0$
これを満たす $x$ の範囲は $x\leq 3,4\leq x$
これと$(1)$ の共通部分をとると $x <1, 2 <x\leq 3, 4\leq x$

・ $1 <x <2\cdots(2)$ のとき
$(x-1)(x-2) <0$ に注意して,$(x-1)(x-2)$ を両辺にかける:
$2(x-1)(x-2)-(x-4)(x-1)\leq 6(x-2)$
先ほどと同様に二次不等式を解く:
$(x-3)(x-4)\leq 0$
$3\leq x\leq 4$
これと$(2)$ の共通部分はない。

以上より答えは $x <1, 2 <x\leq 3, 4\leq x$

分母に二次式が登場したり分数の項が3つ登場しても方針は同じです。通分して因数分解でOK!
分野: 不等式  レベル: 入試対策