2015/03/28

ビュフォンの針の問題と確率の導出

分野: 大学の確率・統計  レベル: マニアック

ビュフォンの針

ビュフォンの針:$l \leq d$ とする。平面上に間隔 $d$ で平行線を引く。長さ $l$ の針を適当に投げたとき,針が平行線と交わる確率は,$\dfrac{2l}{\pi d}$ である。

非常に有名な確率の問題です。円周率が登場するのが面白いですね。

証明を厳密に理解するためには大学の確率論が必要ですが,雰囲気は高校数学でも十分理解できると思います。

ランダムに投げるとは

まずは証明に向けて,ランダムに投げた針の状態がどのようになるのか,確率の言葉を使ってきちんと解釈します。

ビュフォンの針のモデル化

投げた針の中心 $A$ から最も近い線までの距離を $y$ とします。
$0\leq y\leq \dfrac{d}{2}$ です。
また,針と直線のなす角を $\theta$ とします。
$0\leq \theta\leq\dfrac{\pi}{2}$ です。

$y$ と $\theta$ は(連続型の)確率変数です。「ランダムに針を投げた」という言葉は以下のように解釈することができます。

・針の中心 $A$ の座標はランダム
($y$ は区間 $[0,\frac{d}{2}]$ 上の一様分布に従う)

・針がどの方向を向くかはランダム
($\theta$ は区間 $[0,\frac{\pi}{2}]$ 上の一様分布に従う)

このような解釈のもと,針が線と交わる確率を求めてみます。

確率の導出

(ビュフォンの針の確率の導出)
針が線と交わる(共有点を持つ)$\iff y \leq \dfrac{l}{2}\sin\theta$
であることに注意する(先ほどの図参照)。

よって,$y$ と $\theta$ をランダムに決めたときに $y\leq \dfrac{l}{2}\sin\theta$ となる確率を求めればよい。

ビュフォンの針の確率の導出

「ランダムに $y$ と $\theta$ を選ぶ」ことは「図の長方形内にランダムに一つ点を取る」ことに対応する。よって,求める確率は図において(青い部分の面積)÷(長方形の面積)である。

長方形の面積は $\dfrac{\pi d}{4}$ であり,青い部分の面積は $\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}}\dfrac{l}{2}\sin\theta d\theta=\dfrac{l}{2}$ であるので,求める確率は $\dfrac{2l}{\pi d}$ となる。

円周率の近似値を求める

実際にビュフォンの針の実験を行うことで円周率の近似値を求めることができます。

係数を綺麗にするために $d=2l$ として考えることが多いです。このとき針が線と交わる確率は $\dfrac{1}{\pi}$ となります。

例えば $1000$ 回針を投げてそのうち $N$ 回が直線と交わった場合,
$\dfrac{N}{1000}\simeq \dfrac{1}{\pi}$ となります。

よって,$\dfrac{1000}{N}$ を円周率の値 $\pi$ の近似値とみなすことができます。

方法としては非常に面白いですが,円周率の近似の精度は悪いです。

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