2015/02/01

同じ誕生日の二人組がいる確率について

分野: データの分析,確率  レベル: 最難関大学

誕生日のパラドックス:$23$ 人いれば,その中に同じ誕生日である二人組が $50\%$以上で存在する。

同じ誕生日である二人組が存在する確率,なぜパラドックスと呼ばれるのか,三人組の場合はどうなのか,について解説します。

なお,この記事を通じて,1年は $365$ 日(閏年は考えない),誕生日がどの日になる確率も $\dfrac{1}{365}$ と仮定します。

同じ誕生日の二人組が存在する確率

$n$ 人いるときにその中に同じ誕生日である二人組が存在する確率を求めてみます。
なお,$n\geq 366$ のときは必ず誕生日が同じ二人組が存在するので $n\leq 365$ の場合を考えます。

定期試験,比較的簡単な大学入試レベルの練習問題です。

解答

余事象の考え方で求める。

誕生日が全員バラバラとなる確率は,
$\dfrac{364}{365}\times\dfrac{363}{365}\times \dfrac{362}{365}\times\cdots\times\dfrac{365-(n-1)}{365}=\dfrac{{}_{364}\mathrm{P}_{n-1}}{365^{n-1}}$
(二人目が一人目と異なる確率)$\times$(三人目が最初の二人と異なる確率)$\times\cdots\times$($n$ 人目も異なる確率)

よって,求める確率は,
$1-\dfrac{{}_{365}\mathrm{P}_{n}}{365^{n}}$

具体的な値

Wolfram Alphaで具体的な数値を計算してみました!

$n$ 人いるときにその中に同じ誕生日である二人組が存在する確率
$n=5:0.027$
$n=10:0.117$
$n=15:0.253$
$n=20:0.411$
$n=22:0.476$
$n=23:0.507$
$n=30:0.706$
$n=40:0.891$
$n=50:0.970$
$n=70:0.999$

$70$ 人いたらほぼ間違いなく同じ誕生日の二人組がいるという訳です。

パラドックスと呼ばれる理由

上記の確率は直感より大きく感じる人が多いと思います。

その理由は「同じ誕生日であるような二人組が存在する確率」と「自分と同じ誕生日の人がいる確率」とを混同してしまうからです。
(別に混同しないよ!全然パラドックスじゃないじゃん!って思う人も少なからずいると思います。しかし,実際多くの直感と数値が異なっているためにパラドックスと呼ばれているのです。)

適当な直感による間違った説明:
「特定の二人組が同じ誕生日になる確率は $\dfrac{1}{365}$ であり珍しいことだから上記の確率は小さい($\dfrac{n}{365}$ くらい?)はず」

正しい直感による説明:
「 $n$ 人の中で二人組は${}_n\mathrm{C}_2$ 通りあり,$n$ に比べてだいぶ多い。だからその中で一組くらいは珍しいことが起こっても不思議ではない」

3人同じ誕生日の人がいる確率

$n$ 人いたときに同じ誕生日の三人組が存在する確率の計算方法を解説します。

ただし,今回は数式が複雑になるので $n=6$ の場合の具体例のみ。難関大の入試問題レベルです。

(6人いたときに3人同じ誕生日になる確率)
今回も余事象を考える。
6人を誕生日ごとにグループ分けする。3人以上のグループができない確率を求める。各グループの人数を並べて表記すると,以下の4パターンに分かれる。

・(1,1,1,1,1,1)
これは先ほどの問題で余事象として求めた:$\dfrac{{}_{364}\mathrm{P}_{5}}{365^{5}}$

・(2,1,1,1,1)
二人組の選び方が${}_6\mathrm{C}_2$ 通り。 $5$ グループの誕生日の選び方は${}_{365}\mathrm{P}_{5}$ 通り。よって,このようになる確率は:${}_6\mathrm{C}_2\dfrac{{}_{365}\mathrm{P}_{5}}{365^{6}}$

・(2,2,1,1)
同様に,確率は:$\dfrac{{}_6\mathrm{C}_2\cdot {}_4\mathrm{C}_2}{2}\dfrac{{}_{365}\mathrm{P}_{4}}{365^{6}}$

・(2,2,2)
同様に,確率は:$\dfrac{{}_6\mathrm{C}_2\cdot {}_4\mathrm{C}_2}{3!}\dfrac{{}_{365}\mathrm{P}_{3}}{365^{6}}$

よって,求める確率は
$1-\dfrac{1}{365^6}\displaystyle\sum_{k=0}^3\dfrac{a_k}{k!}{}_{365}\mathrm{P}_{6-k}$
ただし,$a_0=1$,$a_1={}_6\mathrm{C}_2,\:a_2={}_6\mathrm{C}_2\cdot {}_4\mathrm{C}_2,\:a_3={}_6\mathrm{C}_2\cdot {}_4\mathrm{C}_2\cdot {}_2\mathrm{C}_2$

3人一緒になる確率を計算するのがこんなに大変だとは思いませんでした(・_・;)

Tag: 難しめの数学雑学・ネタまとめ

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