2015/09/23

倍角の公式とその証明

分野: 三角比・三角関数  レベル: 基本公式

倍角の公式:
$\sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta$
$\cos 2\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta\\
=2\cos^2\theta-1\\
=1-2\sin^2\theta$
$\tan 2\theta=\dfrac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}$

倍角の公式について

倍角の公式は $\sin 2\theta,\cos 2\theta,\tan 2\theta$ を $\sin\theta,\cos\theta,\tan\theta$ で表したいときに使える公式です。

加法定理から一瞬で導出できる(後述)ので覚える必要はありません。導出方法を覚えて下さい。

$\cos$ の倍角公式は三つありますが,全て重要です。 $\cos\theta$ に統一したいときは二つ目の式を使い,$\sin\theta$ に統一したいときは三つ目の式を使います。

倍角の公式の証明

倍角の公式は加法定理から導出できます。慣れれば本当に一瞬です。

sinの倍角公式の証明

sinの加法定理:$\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta$
において $\alpha=\beta=\theta$ とおくと,
$\sin 2\theta=\sin\theta\cos\theta+\cos\theta\sin\theta=2\sin\theta\cos\theta$
を得る。

cosの倍角公式の証明

cosの加法定理:$\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta$
において $\alpha=\beta=\theta$ とおくと,
$\cos 2\theta=\cos\theta\cos\theta-\sin\theta\sin\theta=\cos^2\theta-\sin^2\theta$
を得る。

さらにこの式において,$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$ を使って $\sin^2\theta$ を消すと二つ目の式,$\cos^2\theta$ を消すと三つ目の式を得る。

tanの倍角公式の証明

tanの加法定理:$\tan(\alpha+\beta)=\dfrac{\tan\alpha+\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}$
において $\alpha=\beta=\theta$ とおくと,
$\tan 2\theta=\dfrac{\tan\theta+\tan\theta}{1-\tan\theta\tan\theta}=\dfrac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}$

図形的な考察

余談です。あまり美しくありませんが,図形的な考察によってコサインの倍角公式($\cos 2\theta=2\cos^2\theta-1$)を $0 < \theta < \dfrac{\pi}{4}$ の場合について証明します。

倍角公式の証明

証明

図において $\cos 2\theta=\dfrac{c}{a}$,$\cos \theta=\dfrac{c}{b}$ より証明すべき式は $\dfrac{c}{a}=\dfrac{2c^2}{b^2}-1$
つまり $b^2c=2ac^2-ab^2$

ここで,三角形 $AED$ と $ABD$ は合同なので,$ED=BD=\sqrt{b^2-c^2}$
これと,三角形 $CED$ と $CBA$ は相似なので,$a-c:\sqrt{b^2-c^2}=\sqrt{a^2-c^2}:c$

よって,$(a-c)c=\sqrt{a^2-c^2}\sqrt{b^2-c^2}$
両辺二乗して整理していく:
$(a-c)^2c^2=(a^2-c^2)(b^2-c^2)$
$(a-c)c^2=(a+c)(b^2-c^2)$
$ac^2=ab^2-ac^2+b^2c$
$b^2c=2ac^2-ab^2$
となり目標の式を得る。


追記:sinの倍角公式($0 < \theta < \dfrac{\pi}{2}$)は頂角が $2\theta$ の二等辺三角形の面積を二通りの方法で表すことで導出できます!(読者の方に教えてもらいました)

倍角の公式を変な語呂で覚える必要はありません。

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