2014/09/28

複素数平面における直線の方程式

分野: 複素数  レベル: 最難関大学

複素数平面における直線の方程式の一般形は,
$\overline{a}z-a\overline{z}+b=0$
(ただし,$a$ は任意の複素数で $b$ は純虚数)


直交座標の場合は一次式 $ax+by+c=0$ が直線の一般形でしたが(→直線の方程式の一般形が嬉しい3つの理由)複素数平面ではどうなるのかという話です。

複素数平面における直線の例

証明の前にまずは具体例です。

例えば,方程式 $z-\overline{z}+4i=0$ は上記の一般形において $a=1,\:b=4i$ としたものなので,この方程式を満たす複素数 $z$ の集合は複素数平面上で直線を表しています。

実際 $z=x+yi$ を上記の方程式に代入してみると,$y=-2$ となるので,複素数平面における実軸と平行な直線であることが分かります。

このページでは,以下の二つの事実を証明することで,上記の方程式が直線の一般形であることを確認します。
1:上記の方程式で表される複素数の集合は複素平面上の直線となる
2:複素数平面における直線は必ず上記の方程式で表現できる

1:複素数平面における直線であることの証明

さきほどの具体例でやったことを一般化するだけです。

証明

$a=A+Bi,\:b=Ci$ とおく。
$z=x+yi\:(x,y$ は実数)とおいて一般形の式に代入すると,
$(A-Bi)(x+yi)-(A+Bi)(x-yi)+Ci=0$
これを展開すると,実部は両辺 $0$ になり,虚部を比較すると
$2Bx+2Ay+C=0$
となる。これを満たす $z$ の集合は「直交座標で見たときに $x,\:y$ の一次式を満たす集合」になっているので直線であることが分かる。

2:直線は必ず一般形で表せることの証明

こちらの方が面白いです!

証明

複素数 $\alpha,\beta$ で表される二点を通る直線 $l$ の方程式を考える。
$z$ が直線 $l$ 上にある
⇔ $\alpha,\:z,\:\beta$ が一直線上にある
⇔ $\dfrac{\alpha-z}{\beta-z}$ が実数
⇔ $\dfrac{\alpha-z}{\beta-z}=\dfrac{\overline{\alpha}-\overline{z}}{\overline{\beta}-\overline{z}}$
⇔$(\alpha-z)(\overline{\beta}-\overline{z})=(\beta-z)(\overline{\alpha}-\overline{z})$
⇔$(\overline{\alpha}-\overline{\beta})z-(\alpha-\beta)\overline{z}+\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta=0$
これは,$a=\alpha-\beta,\:b=\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta$ とおけば直線の一般形となる。以上の議論は任意の $\alpha,\beta$ に対して成立するので,任意の直線は冒頭の一般形で表される。

注:一般に $z-\overline{z}$ という形の複素数は純虚数なので,$b=\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta$ は純虚数です。

注:上記の結果を公式として覚えておくとよいでしょう。

複素数平面上の二点 $\alpha,\:\beta$ を通る直線の方程式は,$(\overline{\alpha}-\overline{\beta})z-(\alpha-\beta)\overline{z}+\alpha\overline{\beta}-\overline{\alpha}\beta=0$

複素数平面における直線の一般形その2

以上の議論により,複素数平面における直線の方程式の一般形が,
$\overline{a}z-a\overline{z}+b=0$(ただし,$a$ は任意の複素数で $b$ は純虚数)であることが分かりましたが,実は一般形を
$\overline{a}z+a\overline{z}+c=0$(ただし,$a$ は任意の複素数で $c$ は実数)と書くこともできます。

上の一般形の両辺に$-i$ をかけて $ia$ を新たに $a$ とおけば下の一般形になり,下の一般形の両辺に$-i$ をかけて $ia$ を新たに $a$ とおけば上の一般形になります。

つまり,一般形は2つあるが,それは定数倍の差に過ぎないということです。($x-y+1=0$ も$-x+y-1=0$ も同じ直線を表している,というような違い。)

複素数平面がマイブームです。

Tag: 数学3の教科書に載っている公式の解説一覧

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