2015/08/17

argmax,argminの意味と例

分野: いろんな関数  レベル: 大学数学

$\max f(x)$:$f(x)$ の最大値
$\mathop{\rm arg~max} f(x)$:$f(x)$ を最大にする $x$ の集合
$\min f(x)$:$f(x)$ の最小値
$\mathop{\rm arg~min} f(x)$:$f(x)$ を最小にする $x$ の集合

maxとargmax,minとargminを混同する人が多いので違いをきちんと理解しておきましょう。

max,minの意味と例

$\mathop{\rm arg~max},\mathop{\rm arg~min}$ の前に $\max,\min$ という記号について。

$\max$ は最大値を表します。 $\max$ の下側に変数がとる値の範囲を書くことが多いです。同様に $\min$ は最小値を表します。

〜例〜

  • $\displaystyle\max_{x\in \{0,1\}} 3x=3$
  • $\displaystyle\max_{x\in \mathbb{N}} \dfrac{1}{x}=1$
    ($\mathbb{N}$ は正の整数全体の集合です)
  • $\displaystyle\max_{0\leq x\leq 6\pi} \sin x=1$
  • $\displaystyle\min_{x}|x|=0$
    (定義域が明らかなときは動く変数のみ書くこともあります)
  • $\displaystyle\min_{x}(x^2+y^2)=y^2$
  • $\displaystyle\min_{x,y}(x^2+y^2)=0$

argmax,argminの意味と例

$\mathop{\rm arg~max} f(x)$ は $f(x)$ を最大にする $x$ の集合です。値ではなく集合です。 $\mathop{\rm arg~min} f(x)$ も同様です。

argument of the maximum(最大値を与える引数)の略です。 $\mathop{\rm arg~max}$ で一つの記号です。

〜例〜

  • $\mathop{\rm arg~max}\limits_{x\in\{0,1\}} 3x=\{1\}$
  • $\mathop{\rm arg~max}\limits_{0\leq x\leq 6\pi} \sin x=\left\{\dfrac{\pi}{2},\dfrac{5}{2}\pi,\dfrac{9}{2}\pi\right\}$
  • $\mathop{\rm arg~min}\limits_{x\in\mathbb{N}}\dfrac{1}{x}=\emptyset$
    (最小値は存在しない→最小化する元の集合は空集合)

凸関数のargminは凸集合

おまけです。argminに関する定理を紹介します。

下に凸な関数のargminは凸集合(上に凸な関数のargmaxも凸集合)

多変数関数でも同様なので,一変数関数の場合のみ証明します。

証明

$f(x)$ の定義域を $S$ とする。
$p,q\in \mathop{\rm arg~min}\limits_{x\in S} f(x)$ とする。

$f(x)$ は凸関数なので,任意の $0\leq \lambda \leq 1$ なる $\lambda$ に対して
$\lambda p+(1-\lambda)q\in S$ であり,
$\lambda f(p)+(1-\lambda)f(q)\geq f(\lambda p+(1-\lambda)q)$(*)を満たす。

一方,$p,q\in \mathop{\rm arg~min}\limits_{x\in S} f(x)$ より,
$\lambda f(p)\leq \lambda f(\lambda p+(1-\lambda)q)$
$(1-\lambda)f(q)\leq (1-\lambda)f(\lambda p+(1-\lambda)q)$
であり,この二つの不等式を加えると(*)の逆向きの不等式を得る。つまり,二つの不等式は等号で成立する。
よって,$f(p)=f(\lambda p+(1-\lambda)q)$ となり $\lambda p+(1-\lambda)q\in \mathop{\rm arg~min}\limits_{x\in S} f(x)$ を得る。よって $\mathop{\rm arg~min}\limits_{x\in S} f(x)$ は凸集合。

argumentとaugmentって紛らわしいですよね。
分野: いろんな関数  レベル: 大学数学